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医学が極める矛先

新成人の方々おめでとうございます。

共に作るこれからのよりよい社会の為によろしくお願いします!

日頃から物思いにふける事があります。

それは、私たち治療に携わる者としての向かう方向です。

理学療法士の資格を頂いている私は、西洋医学の世界からスタートをしました。

色々な疑問を抱え、柯尚志先生という偉大な先生と出会い遠絡療法を学びました。

柯先生は、麻酔科出身の医師でした。痛みを抱え苦しむ方と向き合い遠絡療法を生み出されました。そこから発展した遠絡医学は、治療だけでなく生命に対して真摯に向き合おうとするものです。私の生命に対する考え方は、柯先生の考え方に強い影響を受けました。

現代科学は遺伝子操作やクローン技術、ロボット工学などが進み、西洋医学は永遠の命を手に出来そうなくらい精密に物質としての肉体を分析、再現できるようになってきました。

しかし、どこかぬくもりのようなものを感じられなくなっているように思うのは私だけでしょうか?

柯先生は「生命の治療」という言葉をよく口にされていました。

遠絡医学が向き合おうとしている事は、患者さんの今の生命活動です。

そして未来への生命活動です。

なぜなら、遠絡療法は身体の潜在機能を引き出し強める事を目的としているからです。

病という不都合なものは取り除きたいものですが、取り除く事はできません。

なぜなら多くの病気とされるものがその方の一部だからです。

遠絡療法は、その方の不都合な乱れを、不都合ない穏やかな状態に戻る事を引き出し導ける治療だと私は解釈しています。

遠絡療法は東洋医学的な治療手技ですが、それは西洋医学にない考え方が東洋医学は持っていたからです。そして、遠絡療法が持つ治療手技が、生命活動を現実的に分析された西洋医学の活かし方を180度変えると私は実感しています。

柯先生の考え方は、複雑難解で今でも本当に何が言いたかったのか分からないことだらけです。柯先生が亡くなり1年が経ちましたが、日々新しい気付きの連続です。

全人的という表現があります。色々な解釈がありますが、その人らしさとはその人の全部でその人らしさです。「あなたらしい身体の在り方を一緒に探したい」私はそれを目指して、日々出会う患者様と向き合う医学を志しています。

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